プライベートで怪我や病気になり会社を休んだ場合、有給休暇をつかう場合は別ですが、通常お給料は出ません。そうすると、大きな怪我や病気で会社を休んでいる場合、お給料が入ってこず、生活が困窮してしまう可能性があります。このようなことが起きないように、療養中の生活を保障し、経済的側面での生活の安定を図るために支給される給付が傷病手当金です。
この傷病手当金は、健康保険によって給料の3分の2の額を支給してもらえます。ただし、いつまででも支給されるわけではなく、傷病手当金が支給されてから1年6ヶ月の間だけ支給をされます。
A 支給期間は支給開始日から1年6ヶ月間です。しかし、その間に、有給休暇や出勤日があれば、その日の分は支給されません。なお、1年6ヶ月分が支給されるという意味ではありません。
①退職日に労務不能であること
②退職日の前日までに連続3日以上の労務不能期間があること
③退職日までに健康保険に継続じて一年以上の被保険者期間があること
労務不能期間とは、土曜日、日曜日、祝日、有給休暇日も含みます。
具体的には、
①土曜日(公休)→日曜日(公休)→月曜日(有給)→火曜日(退職):火曜日に傷病手当発生
②土曜日(公休)→日曜日(公休)→月曜日(有給)→火曜日(出勤)→水曜日(退職):水曜日に傷病手当発生
③土曜日(公休)→日曜日(公休)→月曜日(有給)→火曜日(出勤そして退職):☓傷病手当不発生(退職日に労務不能であることの要件を充足しない。)
④土曜日(公休)→日曜日(公休)→月曜日(退職):☓傷病手当不発生
A 病気や怪我により働くことができなくなって、会社を休んだ日からカウントして、連続3日間を含む4日以上休み無給だった場合に、4日目から支給されます。
A 休日、祝日、有給休暇であっても、病気や怪我により働くことができなくなった日が連続3日続いたのであれば、「連続3日間」を休んだことになります。
A 有給休暇であっても、病気や怪我により働くことができなくなった日が連続3日続いたのであれば、「連続3日間」を休んだことになりますので、欠勤により無休となった日から傷病手当金を取得することができます。
A ①継続して一年以上(任意継続期間を除く)被保険者であったこと、②退職する際に傷病手当金の支給を受けていること等、③当該病気により引き続き仕事ができないことを充足すれば、退職しても傷病手当金を取得することができます。
A 傷病手当金を退職後も貰い続けた場合、失業手当(受給期間は、退職後一年間と定まっています。)は同時受給することができません。したがって、傷病手当金の受給中に、失業手当の受給期間が過ぎてしまうと、失業手当を受給することができません。
そこで、このような事態を避けるため、失業手当には受給期間の延長の制度があります。申請をすることで、所定の受給期間に三年を加えて四年の延長ができます。
よって、延長申請をしておくことで、傷病手当金と失業手当の両方の受給を受けることができます。